全米不動産協会によると、7月に売買された物件の価格は8.5%ほど昨年同月よりも上昇しました。
同じ期間での世帯所得の上昇幅は4.1%のみなので、より自宅購入が難しくなったということです。
コロナでの経済活動の自粛で、少しは不動産価格の沈静化を期待していた購入希望者たちにしてみると、意外な結果で驚いているかもしれません。
でも、史上最低の低金利(30年固定で2.9%台前半)によって、月々の返済金額を抑えられるのでより多額の借り入れが可能となり、何とか買えるうちにと考える人が、購入を急いでいる状態になっています。
アメリカの現在の実質金利はマイナス1%くらいになっています。2019年年初からずっと下落傾向が続いており、直近ではマイナス1%を越えてきています。
2018年末の株価下落の対策として、FRBが金融の緩和状態を推し進めた結果、こんなレベルまで来てしまいました。(コロナ対策でさらに拍車がかかってますが)コロナによって景気が低迷している現在は、企業からの景気の良い話は聞こえてきません。
よって実体経済の需給の面からのインフレの兆しは、当分は出てこないでしょう。しばらくは資産価格(株や不動産)のみにインフレ傾向が出るのではないでしょうか。
アメリカにとってバラ色のゴールは、コロナの沈静化とともに、人々が以前の生活に戻り実質マイナス金利によって、実体経済も大幅な回復となり、先行して上昇していた資産価格に追いついていくというシナリオ。どうでしょうか?
人口も増加し経済も成長している国であるアメリカなので、その可能性もあるかもしれません。もっとも”バブルは弾けてみないとわからない。”という金言もありますが。
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