南カリフォルニアでの不動産物件の人気は高額物件!
2020年8月のカリフォルニア州不動産取引価格の中間値が、
前年同月比で10%以上の上昇となっています。
州内でもエリアによって差はありますが、ほとんどの地域で
10%を上回る上昇を見せています。
不動産価格が強いのは、以下が基本的な要因です。
1.史上最低の住宅ローン金利
2.売り物件の減少
これは5月以降のずっと言われてきたことで、
大きな要因であることに違いはありません。
さらにここ数か月で見えてきた傾向としては、
物件取引件数が高額物件により多くシフトしてきているということ。
たしかに史上最低の住宅ローン金利(現在3%を下回る水準)に
下がったことで、現在借家住まいの人たちの自宅購入の需要が
高まっていることは確かです。
でも、今回のコロナ禍で失業の危機に面しているのは、
サービス業に従事していて低所得の人たち。
彼らは自宅は購入したいけれど、
中長期的な収入の目途をつけることができずに、自宅購入ができていません。
その一方、年収8万~10万㌦以上の中間レベル以上の所得水準に方たちは、マネージャー職などオフィス・ワークの場合が多く、コロナ禍でも継続して収入を得られているケースが大半です。
彼らこそ、現在の不動産価格を引き上げている人たちになります。職が安定していて住宅ローン金利が低ければ、自然と自宅購入の意欲も高まるというもの。
統計でもそれが表れていて、
ー 全販売戸数に占める「1億円相当以上の物件」の販売シェアは
16%(2019年)から22%(2020年)に上昇
ー 全販売戸数に占める「5千万円相当以下の物件」の販売シェアは
46%(2019年)から38%(2020年)に下落
と、高額物件の取引件数が伸びています。
これによって、カリフォルニア州の販売価格の中央値
(総販売戸数での中間値)は60万㌦越えと、
前年同月比で10%以上の上昇となりました。
低額物件の取引件数が減って、より高額物件がさかんに取引されているので、
取引の中心がより高額物件になってきた。ということ。
カリフォルニア州の不動産価格全体が10%以上、
上昇してきたわけではありません。
(統計上は売買された物件のデータしかないので、
全体の不動産価格の上昇率は不明ですが、
おそらく2~3%ではないでしょうか。)
少なくとも住宅購入意欲の高いカリフォルニア州では、
コロナ禍をチャンスとして不動産物件購入をされた人が
多いということですね。
多くの購入予定者が望んだような、コロナ禍での不動産価格の下落は、
少なくとも今のところはまだ見られていません。
FRBもここ数年は低金利政策を継続する宣言をしていますので、
逆にこの上昇の流れはしばらくは続きそうですね。
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