アメリカの不動産は夏に高くなりがち!?
日本では夏休みが終わるのは基本的に8月末です。一部地域では気候にあわせて長めの夏休みなったり、夏休みは短くその分冬休みが長く設定されていたりもしますが。
私の住んでいるアメリカ・カリフォルニア州では夏休みの期間は約2ヶ月半あります。でも夏休みの始まりと終わりの日の設定は各学校区に任されており、息子の通う学校区では6月9日から8月21日までが今年の夏休みです。
もうすぐその夏休みも終わってしまいますが、不動産のマーケットにおいても夏休みの終了は閑散期の訪れを意味します。
アメリカの夏休みは学年が切り替わるタイミングでもあるので、小学校を卒業し中学へ入学する子供、中学を卒業して高校へ、また大学生となり親元を離れる子供など、家族構成や世帯単位での引っ越しが多くなる季節です。
よって、夏休みの6月~8月が一年を通じてもっとも不動産の売買や賃貸のマーケケットが動くタイミングとなります。
物件価格の季節要因としての動きとしては、やはり夏場が高くなりがちで閑散期である11月~2月ごろが価格は抑えられがちとなります。やはり夏場は9月に向けて購入しなければならない人(Buyer)の割合が高いのに比べて、冬場は逆に売却しなければならない人(Seller)の割合が高くなりがちなのが原因です。
アメリカの不動産の購入は冬場がよい?
では、不動産をアメリカに購入される方は、冬場に物件を探される方が良いのでしょうか?
価格だけを考えればYesかもしれませんが、その他の要因を考慮すると一概にそうとは言い切れません。
まず、「市場に出ている物件が少ない」
運良く自分に合った魅力的な物件に出会えれば良いですが、少ない数から探すよりも、多く市場に物件が出回っているときに探したほうが、自分のお気に入りが購入できる可能性は高まります。
次に「冬場は気候的に厳しい地域も多い」
アメリカは広大な国ですから、冬場の気候の厳しい地域もあります。世界一の大都市であるニューヨークでも冬場は大雪に見舞われることもあり物件を見て回るの大変になります。また雪が積もっていると物件の外観も見れない部分が出てくるので、全体を隅々まで見ることができないかもしれません。
アメリカ西海岸のカリフォルニは冬場の気候も温暖なので、雪が降ることはまずありませんし、それほど寒くないので物件を見て回るのは夏同様に気持ちよくできます。
季節要因以外にも考慮しなければならない景気動向としては、
ー物件価格動向
ー金利動向(もし融資を受けるのであれば)
などがあります。日本では不動産の物件価格はオリンピック開催の決定後もそれほど大きくは上昇していません。でもアメリカでは2008年・2009年のリーマン・ショック後を底値として、現在まで右肩上がりの市況が続いています。
金利動向も日本ではアベノミクスにより黒田日銀総裁が量的緩和を根気強く続けているので、住宅ローン金利も1%前後に低く抑えられています。直近の日銀政策会合でも2019年10月に予定されている消費税増税の景気への影響を見定めるとして、しばらくはこの低金利状態が維持されることが明らかとなっています。
一方のアメリカは2015年末の利上げを皮切りに2018年6月の7回目の利上げまで、段階的に金利水準を切り上げてきています。そして2018~2019年もさらに数回の利上げが見込まれています。
すでの30年固定金利は4.5%~5.0%の水準にあり、日本の水準とは大きく乖離していますが、さらにもう一弾の融資金利の引き上げが見込まれています。
実際に市場の予想通りに利上げが進んでいくかどうかはわかりません。トランプによる輸入関税の引き上げによって新興国市場の為替レートもトルコ・リラ、アルゼンチン・ペソを筆頭に大きく下落しております。これが世界景気のブレーキとなっていくのか、それとも一時的な停滞でとどまるのかによって、アメリカの金利水準も今後大きく影響を受けそうです。
この記事へのコメントはありません。