iBuyer アメリカ 不動産

「iBuyer」ついにアメリカ不動産取引にもAIが活用される時代が

「iBuyer」とは?

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「iBuyer」がアメリカの不動産業界で話題になっています。これはアルゴリズムを用いて不動産価格を機械的に算出し、物件のSellerから不動産会社(Broker)または不動産ポータルサイト運営会社が、直接買い取るという仕組みです。

 

現在において、不動産会社(Broker)の主要業務は買手と売り手の取引を仲介すること。アメリカでは買手と売り手の双方に別々のBrokerがついて取引を行います。売り手のBrokerはオーナーのためには、少しでも高く物件を売ることを目指し、買い手のBrokerはその逆になりますから、売り手と買い手のにらみ合いが続くことも珍しくありません。

 

たしかに不動産物件は二つとして全く同じものはありません。ある人には古臭く見えても、別の人には落ち着いた価値ある物件となることも当然あります。よって不動産物件の妥当な価格は単一なものでなく、幅をもっているものといわれています。

 

一方、AIが発達してきた現代においては、価格を考慮する様々な要因を数多く考慮することによって、フェアバリュー(公平な市場価格)として一つの価格を計算することも可能となってきています。そしてその精度が飛躍的に高まってきました。

 

そうすると不動産を仲介している不動産会社やポータルサイトの運営会社が、自社でSeller(売り手)から物件をフェアバリューから若干安い価格で購入し、その後転売することによって利益を上げることが可能となります。

 

売り手のメリットとしては、買い手の登場を待つことなく若干フェアバリューからは安いとはいえ、短期間で売却が可能となることです。

 

不動産会社にしてみれば、不動産エージェントとしての仲介業務量の削減になり、さらに転売によって利益を挙げられれば一石二鳥です。一昔前に同様に買い取り業務を行うとしたら、買取価格の査定は現場のエージェントのさじ加減であり、エージェント個人の(またはその営業所の)資質に大きく左右されました。

 

買い手のメリットは直接はあまりないかもしれませんが、「iBuyer」からの購入であれば価格はおそらく妥当と考えられ、購入した物件を将来売却するときに「こんな安い価格になるとは、、、」という事態をかなりの確率で避けられるかと考えられます。

 

「iBuyer」の既存の不動産仲介会社に与える影響は?

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アメリカの不動産業界で「iBuyer」が話題になっているということは、業界として「iBuyer」を脅威と捉えているということ。

 

現在はまだ、売りても買い手の双方が別々の不動産エージェントに仲介を依頼するのが一般的です。そしてエージェントの助言を聞きながら、販売価格・購入価格をお互いに探っていきます。当然エージェントの力量によって、結果的には売り手に優位だった、または買い手に優位だった、という成約価格となるかもしれません。

 

「iBuyer」の計算する価格が妥当なフェアバリューである精度を高めることができれば、エージェントの力量を心配する必要がなくなります。

 

そうすると上記のメリットのように売り手・買い手ともに不動産エージェントではなく「iBuyer」を通じての取引を好むようになるかもしれません。

 

アメリカで「iBuyer」の仕組みが成り立つのは、不動産取引の透明性が高いからこそです。多くのアメリカ人が不動産購入前に見るであろうZillowには、過去の取引履歴が事細かに掲載されています。実際の売買事例だけではなく、最初の販売提示価格がいくらで、その後、いつ、どれだけ下げて成約に至ったかの履歴まで掲載されています。

 

さらに過去何十年も売買されていない物件であっても、Estimat Valueとして市場価格の予想が計算されています。

 

日本のように町並みが昔からあり、現在建っている家が各々家の様式や豪華さなど、かなりのばらつきを持って建てられている場合は難しいかもしれませんが、計画的に同じような広さで似たような間取りで、同時期に建築されているアメリカの不動産であれば、AIが参照する取引事例も、その確からしさがより確実なものとなっています。

 

現在「iBuyer」がターゲットとしているのは郊外の比較的新しい住宅街で、昔から発達している建て替えも多い大都市の市街地は入っていないので、AIもまだ似たような家並みしか精度高く価格の査定をすることはできないようです。

 

「iBuyer」が不動産エージェントを駆逐するか?

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では、近い将来、「iBuyer」が不動産エージェントの多くを廃業に追い込むような事態になるのでしょうか。

 

アメリカ不動産業界の見方としては、「近い将来にそんな事態となることはない」というもの。売り手・買い手ともに不動産売買の動機は千差万別であり、不動産エージェントは各々の顧客の要望に基づいて、その顧客にとって最善となるように物件を扱うことになります。

 

人によっては通勤時間がちょっと長くなっても緑の多い郊外の物件に価値を見出すかもしれませんし、人によっては職場に近ければ都市部の煩雑な地域により高い価格を見出すかもしれません。

 

コンテンポラリーなデザインが好きな人、アールデコの昔ながらのデザインが落ち着く人など、人の好みには様々です。AIにはこれら人間の複雑な欲求を正確に把握することはできず、これは不動産エージェントとのやりとりでしか話は進められないからというものです。

 

ファッションも以前はお店のカリスマ店員が流行を作り、そのカリスマ店員に自分のファッションをコーディネートしてもらうのが憧れだった時代もありました。現在は、「他人」よりも「自分」の価値観を重視する人が増えてきたのもあり、またSNSで自らを発信する人も多く出てきたので、自分の好みについて誰かに助言を求めることも減ってきたように思います。カリスマ店員という言葉も今では死語となってしまいました。

 

クルマのメーカーも自社のホームページで、顧客が車体のカラーや内装・外装のオプションをいろいろと試してみることができるようになっています。

 

不動産の世界も決して例外ではないかもしれませんね。

 

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