アメリカ不動産価格は下落する?
アメリカの不動産価格は今回のコロナによる影響を受けずに、
価格の下落は見られない、との考えがマーケットには多く見られます。
アメリカ東海岸・西海岸の州ではまだ外出規制は続いていますが、
内陸部の州では、かなり規制が緩和されてきました。
モーゲージ金利も3%前半と史上最低レベルなので、新規の申請件数も増加中。
よってアメリカ不動産価格の高止まりは、続いています。
このままV字回復となり、アメリカ不動産マーケットには、
コロナの爪痕は刻まれることはないのでしょうか?
5月13日にFRBのハウエル議長が、
「アメリカの景気はしばらく停滞し、さらなる経済対策が必要」
とコメントしました。
景気を支える立場のFRB議長が、ネガティブなコメントをするのは珍しいのですが、
それほど現在の楽観ムードに懸念を抱いているのでしょう。
3月中旬の外出規制導入以降の失業者申請者件数は、累計で3千万人を超えています。
約1億6千万人の労働力のアメリカなので、その割合は約19%になります。
V字回復の前提はそれら3千万人の失業者が、規制解除後は元の職場に全員戻ること。
言い換えれば、雇用主の会社もすべて存続し、社員を全員戻すだけの余裕があるということ。
このためには、我々消費者がコロナ前と同じような消費行動を再び取る必要があります。
はたして、皆さんコロナ前と同じ消費行動に戻りますか?
ソーシャルディスタンスが必要とされ、バーチャルが一気に広がったコロナ後に
会社は同様の経費で同じだけの売り上げを、上げることができるのでしょうか?
おそらくコロナ以前とコロナ後は同じではないでしょう。
消費は抑えられるでしょうし、会社もオフィスの人数を減らしたり、
路面店の売り上げが落ちたりするでしょうから、以前ほどの収益を上げるのは難しいでしょう。
よって、パウエル議長のコメントのように、
「アメリカの景気はしばらく停滞し、さらなる経済対策が必要」
な状況になる可能性は高いと思います。
そのときに、アメリカ不動産の価格がコロナ前の水準を維持するのは難しいかもしれません。
史上最低レベルのモーゲージ金利が、購買意欲を下支えするとは思いますが、
融資基準も現在徐々に厳しくなりつつあり、またコロナの第2波、第3波によって
雇用不安を考える人が多ければ、そもそも融資を引こうと考える人もさほど増えないかもしれません。
経済がコロナ前の水準を超えて成長していくためには、コロナのワクチンや治療薬が完成し、
通常のインフルエンザ並みの危険度に下がるまで待たなければならないのかもしれません。
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