アメリカでは3月19日より”Stay at Home”の命令が出ており、医療関係者、消防・警察、食品スーパーなどの”Essential Service”(重要業種)以外は、人が集まる形での業務の継続が規制されています。
一般の企業は在宅勤務にシフトし、ショッピングモールも食品部門を除いて閉鎖されています。
レストランもテイクアウトはOKですが、マクドナルド、スターバックスを含め店内での飲食は禁止されています。
不動産業は「衣・食・住」の一つということもあり、Essential Serviceに加えられています。
ただし、人との接触は規制されているので、従来のお客様と対面でいろいろと話を進めていく、という形態はとれません。
不動産エージェントはお客様に信頼されて初めて、ビジネスにつながる職種なので、対面での接触ができないのは、もどかしい部分もありますが、コロナ終息の為には必要なことですからね。
Stay at Homeの命令により、不要不急の外出が規制されているので(今週からは公園やハイキングトレイルも立ち入り禁止になりました)買い手の購買意欲も停滞気味です。実際、不動産協会の調査によると90%の買い手が、「様子見」とのこと。
また売り手も77%が「今は売却せず待つ」ことを選択してるので、両者お見合い状態で不動産市況は動きがほとんどなくなっている状態です。
物件価格は株式市場の30%超の暴落にも反応薄で、価格を堤て売却を急ぐケースは、現在のところほとんど見られません。2008~2009年の金融危機のときとは違って、コロナが治まれば経済はすぐに元通りに戻ると考えている人が多いようです。
こんな状況ではありますが、不動産売買を行う方も当然いらっしゃいます。
Stay at Homeでの不動産売買のプロセスは現在以下のようになっています。
内覧:物件を購入する際は、実際にお客様が物件を内覧されるのが一般的です。しかし、現在カリフォルニア州で許可されているのは以下のどちらかになります。
1)バーチャル:不動産エージェントが物件に出向いて、オンラインで映像をお客様とつないで、内覧を行う。
2)もし実際に内覧をする場合は、物件内に立ち入るのは「エージェント+お客様一名」までで、ご家族で内覧をしたい場合は、一人一人交代で物件に立ち入るようになります。順番がくるまでは車の中などで待機。
物件検査(インスペクション):従来は検査官(インスペクター)、エージェント、(希望があれば)お客様が物件に集まり、検査官の物件検査に立ち会い、何か問題があればその場で説明を受ける、というのが通常です。現在の推奨プロセスは、検査官が単独で物件検査を行い、写真・動画を撮り、出来上がったレポートを「エージェント+お客様」または「検査官+エージェント+お客様」で、Zoomなどのオンライン会議でレポートの内容を検討する、になります。
公証(ノータリー):不動産売買では公証人の面前で取引当事者の署名を必要とする書面があります。現在は対面では公証人と会えませんので、こちらもオンラインで画面を共有し、運転免許証などのIDを画面越しに見せ本人確認を行って、バーチャルで署名の公証を行います。この際、お客様がオンラインの設定に不慣れであれば、エージェントがその設定をサポートすることになります。
このように、対面での接触をなくしながらも不動産取引を完了できるようにはなっております。
カリフォルニア不動産協会もオンラインツールのトレーニングビデオを各種作成して、エージェントのサポートをしているので、しっかりしたエージェントであれば、必要なオンラインツールは使いこなせているはずです。
バーチャルでのプロセスが増えてくれば、日本の投資家の方々にもメリットは大きいかと思います。
先の話ではありますが、AR(拡張現実)が発達してくれば、日本に居ながらにして、ロサンゼルスの物件を自分で歩いて内覧をすることも可能になってくるのでしょう。
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