アメリカ不動産投資での失敗とは?
おそらく海外不動産投資でもっとも失敗しにくい国の一つがアメリカではないでしょうか。なぜなら不動産取引に関する情報が広く一般に公開されているからです。
不動産業者でしかわからないような情報はほとんどありませんから、物件の売り手にとってまたは不動産業者にとって不都合なことを隠しておくことが難しいのです。
それでもアメリカで不動産投資をして失敗した~!というかたはいらっしゃいます。
だいたいこのパターン
1.これからの都市といわれ、値上がり期待で購入したがそれほど上がらなかった
2.不動産取引時にかかる手数料や経費が高く、実質利回りが下がってしまった
3.利回りは高かったがテナント(入居者)の家賃支払いが滞り、出ていってもらうのに費用がかかってしまった。
4.融資を引いて購入したが、月々のキャシュフローがマイナスになってしまった
この原因を簡単に説明すると
1.発展している都市は人口流入に合わせて宅地を新規開発し物件を供給し過度に物件価格が高騰しないように計画している。(新興都市であれば未開発の土地は広く残っているので)あと、物件を業者から購入する仕組みだと設定された価格が市場価格よりも高く設定されていることもある。
以下のポータルサイトに物件アドレスを入れると、その物件の想定市場価格や近隣物件の価格も合わせて確認することができます。
Zillow
Redfin
2.取引時に必要な経費は支払わなければなりませんが、中には仲介業者がコンサルフィーや翻訳フィーなどの項目で追加で経費を購入者にプラスしている場合も。
3.日本でも利回りが高い地域というのは、人口減少地域であったりとイマイチ賃貸市況が活況でないところになります。アメリカではこれらの要因に”治安”が加わります。利回りが高いところは一般的に治安状態も良くなく、入居者層もあまり良いとはいえない人たちが多いです。
4.日本の低金利に慣れてしまうとアメリカの4~5%という金利水準はかなり高く、あまり多く融資を引いてしまうと、月々のキャッシュフローがちょっと想定外の出費があっただけでマイナスになってしまうことも。
不動産投資の失敗を防ぐには?
ミドルリスク・ミドルリターンといわれる不動産投資ですが、あくまで投資なのですべての失敗を未然に防ぐ事はできません。
でもかなりの程度それを事前に想定し手を打っていくことは可能です。
例えば、新興都市に投資する場合は、本当に計画通り企業が誘致され人口が増えて発展していくかどうか定期的に見ていくことが必要です。
ほとんどの人が、物件購入がゴールになって、その後の物件所在地の経済状況まで見ていないのが現実。
ネットが発達した現在では都市名を入れてニュース検索すれば、企業が進出・撤退、都市の開発や逆に衰退状況などの情報が入手できます。
ケース2の取引に関する経費は、ロサンゼルスの場合は購入時点で物件価格の1~2%、売却時は6~7%くらいになります。
この5%の違いは、商慣習として仲介業者への取引手数料の支払いをするのが売りてサイドになっているため。購入時点では仲介業者への手数料の支払いは一般的には不要です。
これもネットで「アメリカ不動産 仲介手数料 買い手 売りて」と検索すれば、一般的には売り手が負担するんだということがよくわかります。
ケース3は家賃収入からのキャッシュフローのみを求めるのではなく(利回りの高さを追求するのではなく)、物件価格の上昇しやすいエリア(キャオピタルゲインの得やすいエリア)を検討しましょう。
ちょっと古いデータですが、いかにアメリカではエリアごとに平均年収が違うかがよくわかるマップです。購入を検討しているエリアのZip Codeを入力くしてください。
https://www.washingtonpost.com/sf/local/2013/11/09/washington-a-world-apart/?utm_term=.83bc7a9f77ab
もし自分がそのエリアに住むとして、どこに家を買いたいでしょうか?(購入需要が高いのはどこでしょうか?)
ケース4は難しいところですが、融資の割合を抑えめにしておくのが対応策になります。あとは、発想を変えて、アメリカでドル建ての融資をひくから金利が高いのであって、日本で海外不動産を担保に、またはすでに日本国内で所有されている物件を担保に、円建てで融資を得れば、金利は円金利になるので、かなり抑えられます。
この場合は、円ローンの返済をドル建ての賃料で賄うことになるので、ドル/円の為替動向に注意しておくことが大切です。
この記事へのコメントはありません。